我が国の総合食料自給率
[1]「令和2年度 食料・農業・農村白書」農林水産省より

日本の食料自給率は、確実に下がってきています。
食料を絶たれると国家としてのすべての自立性が損なわれます。戦わずして負ける、そういう状態になるということです。

第二次世界大戦(大東亜戦争)後、敗戦国となった日本はアメリカ軍によって支配されました。
占領軍は、日本をアメリカの属国化するために様々な施策を行いました。

戦後、学校が整備され給食が配給されることになると、給食は和食ではなくパンと脱脂粉乳という組み合わせとされていました。
子供たちの世代に米食ではなく小麦を中心とした食事に慣れさせ、日本を将来的な小麦輸出先にすることが画策されていたのです[2]

その結果、当時の若い世代を中心に米よりもパンが好きという人たちが多くなり、目的どおり小麦の輸入量は増えました[3]

これはひとつの例にすぎません。

近年、種子法の廃止や種苗法の改変などが進みました。そしてTPPなどの国際協定によって日本の農業は危機にさらされつつあります。日本は外交での交渉力が弱いので、どうしても条件が不利になるのが現実です。

食料問題は、軍事的な意味合いが大きいものです。
米国などでは、食料を軍事行動のひとつとしてとらえて長期的作戦を練っています[4]。それは、先に述べたように古くから行われてきたものです。

ところが、日本では食料問題をそのようにとらえる視点がほとんどなく、美味しくて安ければ海外のものでも大歓迎という状態です。

我が国と諸外国の食料自給率
[5] 世界の食料自給率、 知ってる?日本の食料事情 、農林水産省より

日本の農地は、戦後の農地改革の名の下に大規模農業の可能性を奪われました。これは、戦前から日本政府が進めてきた大規模地主による農奴問題に対する農地改革[6]を、米軍が引き継いで進めた施策です。
それまでの小作制度が悪習であり、大地主から土地を奪い小作人に小分けしたのですから、これを素晴らしいことと捉える考え方もあります。
しかし、一方では効率的な農業生産の発展が奪われ、家族経営の農家がそれぞれこじんまりと農業を行う形が日本の農業となったのです[7]

その結果、どうなったかは皆さんの知るところです。あまりに分割された農地は、家族経営の農業に偏り農業生産効率が向上しにくい状況になりました。その結果、外国の農産物との価格競争の圧力に押され、農業技術の向上の反映や規模的優位が得られず、離農者の増加とともに日本の農業の衰退が進んでしまいました[8]

今後、TPPやFTAといった日本の農業にとって割の悪い協定によって、日本の農産物はさらに過酷な競争を強いられることになるでしょう。

農業研究者も、今後、日本の食料需給率は10%台に落ちるだろうと警鐘を鳴らしています[9]
食料自給率を生産額ベースで考えるかカロリーベースで考えるかといった問題はありますが、だからと言って、日本の食料自給率が増えたとか安泰だということではありません。

ひまわりの党は、食料問題を国家防衛の問題としてとらえています。
強力に国が自国の農業を保護し、発展を促す政策は国防の点からも必須です。
その観点で、農業の発展の国家的推進と不利な協定の破棄を重要な課題の一つとして考えています。

多くの若者が、農業や漁業をやりたいと思うような国にしていくこと、そして日本の食文化を守ること、食料自給率を100%以上にすることが、将来の日本のために大事なことだと考えています。

具体的には、農業従事者に対する収入補助政策や、漁業の大規模化、養殖技術の開発支援などの国策化など、強力な改革と支援を行うべきであると考えております。

参考資料
[1]
令和2年度 食料・農業・農村白書、農林水産省、2021年5月25日
https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r2/r2_h/trend/part1/chap2/c2_1_00.html#d0116

[2]
日本の食生活と農業政策、江幡仲衛、東海女子短期大学紀要、1978年
https://tokaigakuin-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2685&item_no=1&attribute_id=21&file_no=1
日本的「食性」を重視した食教育の教材化視点―政府の「食育」運動の問題点にふれて―、真下弘征、宇都宮大学教育学部 教育実践総合センター紀要 第31号 2008年7月1日
https://uuair.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=5154&item_no=1&attribute_id=27&file_no=1

[3]
昭和世代と平成世代の「食」習慣に関する調査、農林中央金庫、2019年4月24日
https://www.nochubank.or.jp/efforts/pdf/research_2019_01.pdf
食料需給表 / 確報 令和元年度食料需給表 / 項目別累年表 / 輸入量、農林水産省、令和元年度
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500300&tstat=000001017950&cycle=8&tclass1=000001032890&tclass2=000001151387&stat_infid=000032064967&cycle_facet=cycle&tclass3val=0

[4]
President’s Remarks to the Future Farmers of America, George W. Bush, July 27, 2001
https://georgewbush-whitehouse.archives.gov/news/releases/2001/07/20010727-2.html
“when we’re talking about American agriculture, we’re really talking about a national security issue.”(我々が米国の農業を語るとき、本当は国家安全保障問題を語っている。)
GLOBAL REALITIES: PRECARIOUS SURVIVAL AND BELONGING,
The Asian Conference on Cultural Studies, The Asian Conference on Asian Studies, The International Conference on Japan & Japan Studies, June 1–4, 2017, Art Center Kobe, Kobe, Japan
http://papers.iafor.org/wp-content/uploads/conference-proceedings/IICJ/IICJ2017_proceedings.pdf

[5]
世界の食料自給率、 知ってる?日本の食料事情 、農林水産省、令和2年度
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/013.html

[7]
農地政策をめぐる事情、農林水産省、平成19年1月
https://www.maff.go.jp/j/study/nouti_seisaku/01/pdf/data3-1.pdf

[8]
農業構造と農業経営の動向、平成19年度 食料・農業・農村白書、農林水産省、平成20年5月16日
https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h19_h/summary/s1_1_01.html

[9]
狡猾なアメリカと無策な日本――食の未来はどこへ向かうのか、鈴木宣弘、本の話、2013年9月2日
https://books.bunshun.jp/articles/-/1465